『アビー・ロード 50周年記念盤』全曲感想 【セッションズ ディスク2 】スーパーデラックスエディション




さてさて、『アビー・ロード』50周年記念エディション・ディスク1 (オリジナルアルバム)の2019 ステレオ・リミックスの全曲感想に引き続き…

今回はディスク2 セッションズの感想です!

はい、本棚からマーク・ルウィーソンの『ビートルズ/レコーディング・セッッッション』を引っ張り出して。

レココレ10月号の『アビー・ロード』特集号を買ってきて(超久々買いました)。

 

モスコ

そして超ついでに私のブログのこのページも開いてもらっちゃったりなんかして!

 

お酒でもコーヒーでも好きなもの用意してもらって。

ゆっくりとビートルズのレコーディング・セッションを聴いて浸る時間がきましたよ!

 

 

ディスク1 (オリジナルアルバム)2019 ステレオ・ミックス についてくわしくはこちら

 

『アビー・ロード【50周年記念スーパー・デラックス・エディション】』ディスク2 アルバム情報

『Abby Road 50th Anniversary  Super Deluxe  Edition』 

2019年9月27日リリース

Disc 2 Sessions

M-1  I Want You (She’s So Heavy) (Trident Recording Session & Reduction Mix)
M-2 Goodbye (Home Demo)
M-3 Something (Studio Demo)
M-4 The Ballad of John and Yoko (Take 7)
M-5 Old Brown Shoe (Take 2)
M-6  Oh! Darling (Take 4)
M-7 Octopus’s Garden (Take 9)
M-8 You Never Give Me Your Money (Take 36)
M-9 Her Majesty (Takes 1-3)
M-10 Golden Slumbers / Carry That Weight (Takes 1-3 / Medley)
M-11 Here Comes the Sun (Take 9)
M-12 Maxwell’s Silver Hammer (Take 12)

 

 

このディスクがえらいのはちゃんと録音日順に収録されてるってこと。

なのでこれを聴くことによって少しは『アビー・ロード』の作られた状況の時間軸みたいなものが感じられる仕組みになっていますよ。

『アビー・ロード【50周年記念スーパー・デラックス・エディション】』ディスク2 感想

M-1  I Want You (She’s So Heavy) (Trident Recording Session & Reduction Mix)

最初にゲット・バック・セッションを思い起こさせるようなラフさ、ダークさ、グダグダさで「だ、大丈夫かな…?」と不安がよぎるテイク(ほんの少し)からの、ちゃんとしたリダクション・ミックスで溜飲が下がる。

正規テイクではカットされてる、ぴろぴろ暴れまくるビリー・プレストンの最後のインスト・パートのハモンド・オルガンがすんごいかっこいい!

正規的よりラフなギターもいいですね。

「レコードコレクター」10月号(買った)の解説によると近隣住民から「うるさい!」と苦情を受けており、「(時間的に)これが最後のチャンスだ」とジョンが言ってる…っていうのが、なんともびっくり。

天下のビートルズも、形無しですね…。

しかしアビー・ロード・スタジオって、音漏れしてたのか…。

M-2 Goodbye (Home Demo)

このメアリー・ホプキン提供曲を作者であるポール自身が歌ったヴァージョンは昔からブートで聴いてました。

この曲のポール・ヴァージョンを聴くと、早くも2nd アルバムで「Till There Was You」といったミュージカルの曲をカバーしていたりといったポールの音楽の嗜好の1つがよく現れた曲ということがわかりますね。

スタンダード好き、1930年代〜1950年代のミュージカル好き。

アコギで軽やかに歌われているからまぁそんな感じで聴けるけど、古いラジオから男性ヴォーカル(例えばビング・クロスビーのようなクルーナー・タイプ)で、朗々と歌われるヴァージョンが流れてくるのを想像できる感じが面白い。

要はこの曲もスタンダード路線。

ポールが普通に作った曲はスタンダードになる可能性をいつだってはらんでるてことですね。

M-3 Something (Studio Demo)

このヴァージョン、歌とエレキギターの弾き語り演奏は『アンソロジー3』で聴けるものと一緒なんですね。

そこにジョンのピアノが重ねられたヴァージョン。

I don’t know , I don’t know

のあとに、ジョージがピアノ・パートの落ちてくメロディのとこ

どぅーんどぅんどぅんどぅん🎵

って歌っちゃうのがかわいい。

間奏のとこで正規テイクにはない歌詞

You know I love that woman of mine…

と歌われるとこも特徴的ですよね。

で、その正規テイクにはない間奏の歌とギターがいいんですよねぇぇぇ。

ジョージの歌とギターが実にうたってるんです。

正規テイクではポールのベースも素ん晴らしいわけですが、このデモ・ヴァージョンでは止めることができなかったジョージの ”うたごころ” が溢れちゃっているのが聴きどころだと思います。

M-4 The Ballad of John and Yoko (Take 7)

ジョンとポールだけの録音。

有名な

ジョン:(ドラムのポールに向かって)

「You can bit a go faster, Ringo:もう少し早くできるかな?リンゴ」

ポール:(ギターのジョンに対して)

「(笑)OK、George:オーケイ、ジョージ」

のやりとりも入ってます。

マーク・ルゥイーソン著『ビートルズ/レコーディング・セッション』によると、このやりとりはテイク4のものだとのこと。

しかし笑えるような笑えないような、このジョンのジョーク。

2人でも「4人ちゃんといるぞ」とも取れるし。

ブラッキーなジョンのジョークと取れば「俺たち2人でも成立するぞ」と言ってるようにも聞こえる。

どっちもある感じなのかな。

ジョンておもしろいな。

なにはともあれ、リンゴが映画撮影、ジョージが国外いた時に、ジョンとポールの2人だけでチャチャッと1日で録音して仕上げた曲です。

これはテイク7ですが、正規テイクはテイク10が採用されています。

まーでもあのゲット・バックセッションが嘘のような晴れ晴れとしたセッション、テイクですよね。

感情や体調や状況が影響を及ぼす人間がやってる音楽もまた水物ですね。

そして色々あっても、結局音楽的に1番頼りにしていた同士の2人だけの録音、やっぱりときめきますよね。

M-5 Old Brown Shoe (Take 2)

ライブ・バンドとしての実力が発揮されている

レココレ10月号より

とありますが、まさに。

このテイク、擬似ライブとして聴けますよね。

マーク・ルウィソーンの本によると、ベーシック・トラックはライブ録り、4テイクで録音は終わったそうです。

このテイク2もかなり完璧な出来ですもんね。

しかしこれ、左で鳴ってるピアノ(ポール)がいい具合にアクセントを加えてると思うのですが、マーク・ルウィソーンの本にも「ポールのジャングル・ピアノ」って書いてて。それに準じてレココレもそう書いてて。

で、ジャングルピアノってなに??

ホンキートンク・ピアノとかラグタイム調のピアノとか、そんな感じの音が鳴ってるんですけど、そういう類の別名なの?ジャングル・ピアノって(ググってもでてこない…)

音楽のいわゆる ”ジャングリーな”って意味で使われてるんでしょうね。

でもとにかくそのポールのピアノが正規テイクもそうですが、いい〜〜〜んです。

ジョージとジョンのギターもかっこいいし。

ライブで観たかった曲の1つです。

M-6  Oh! Darling (Take 4)

これはまだまだラフなヴァージョンですねぇ。

なんなら流しすぎてて、ポールの歌が若干へたっぴぃ(超若干、ですが)な部分も。

ジョンが自分で歌いたいと言っていた説がありますが、この途中のテイクを聴けば、さもありなんです。

でも 0:51あたりで、ポールの後ろでジョンが「イエイ!」ってたまらず叫ぶのがいい。そのたまらず出た感じが。

ジョン、この曲、好きなんだろうなぁ。

26テイクも録ることになるんだから。ポールのあの声、あの曲の雰囲気を出すのには相当苦労していることが伺えるテイクです。

M-7 Octopus’s Garden (Take 9)

最初に笑っているのはジョージ?(それともリンゴかな?)

その笑い声が象徴するように、なんか和やかなセッション風景が浮かんでくるような演奏、テイクです。

まず、リンゴが歌詞を間違える。あのほのぼの声で

リンゴ:「ごめんね、俺間違えた。…だよね?」

だってさ。

やっぱりリンゴが4人の接着剤だったんだろうなぁ…(涙)

イントロのジョージのギターが正規テイクより好きだなぁ。

癒し。

M-8 You Never Give Me Your Money (Take 36)

最初、ポールがなんかいろいろふざけて喋ってます。

替え歌で「チミはコーヒーをくれたことがない〜🎵」とか歌ったり…。

そんなちょっとつらいパート(笑)を経て、テイク36(!)。

ポールの歌もそんな不調なジョークから始まっているので、冴えない。まだ流してる感じです。

でも演奏は割と出来上がっている感じが「Oh, Darling」と似てる。

歌が終わってからの演奏が聴きものです。

M-9 Her Majesty (Takes 1-3)

この最後の ジャーン があるヴァージョンを初めて聴いた時の衝撃といったらなかったですね。

「あるんや!!!」ってね。

この「ハー・マジェスティー(テイク1-テイク3)でこの曲のセッション全てを聴くことができます。

この短い曲が、なんかループするのが少し怖いです。

ルゥイーソン本によると、ポールはスタジオに歩いて5分で行ける距離に住んでいたので、セッションに1番乗りして、手っ取り早く1人で録音を済ませたそうです。

ポール、そういうとこだぞ。

M-10 Golden Slumbers / Carry That Weight (Takes 1-3 / Medley)

似ているピアノ・コードの「フール・オン・ザ・ヒル」を歌い出すポール。

あげくに誰にも受けなかったからか、「あぱぱ」とかイミフなこと言ってる横で無慈悲に”(Take) 2″とアナウンスしているジョージ・マーティンが笑える。

そんなちょっとつらいパート(笑)を経て、聴こえてくるのはほとんど完成されたポールの歌とピアノとジョージのベースとリンゴのドラム。

そしていい感じだったのに、Carry That Waitに入った途端に間違えたポールの横ですかさず入るのが、マーティンの無慈悲な”(Take) 3″の声(笑)

ジョンが不在なのは自動車事故で入院中だからでした。

M-11 Here Comes the Sun (Take 9)

ジョージの歌い方、始まってすぐが若干ボブ・ディラン。

さわやかな曲のさわやかなセッション。

マーク・ルウィーソン『ビートルズ/レコーディング・セッッッション』より

とあるように、ジョージとリンゴの存在自体が、ビートルズの接着剤や一服の清涼剤になっていたのでしょうね。

演奏も歌もこなれていて、聴きごたえありますね。

このセッションの日もまだジョンは入院中で不在。

M-12 Maxwell’s Silver Hammer (Take 12)

この曲からジョンが復活!

ポールのおふざけも絶好調…。この人はいつもこうなんだろうね。

レココレに書いてありましたが、別テイク(テイク5)のヴォーカル部分を持ってきた疑惑あり。

つまり『アンソロジー3』に収録されたテイク5の3番のふざけたデタラメ歌詞のとこを、こっち(テイク 12)に持ってきてミックスしているのではないかと。

確かに、何回か聴き比べましたが、そこのとこ、全く同じヴォーカルですね。

つまり2:52以降の…

でぃんでれんしゃんぶりん たーぽりんてぃちんぶるぅん

たーすたん (こんっ) あやんぼーん

ってうたうとこ。

あとそのたーすたんより前のスキャットも一緒です。

ディスク2や3のセッションにもこのように若干の”リッミクス”があるのがジャイルズのやり方なんでしょう。

ファンやマニアなら、「いじらないでそのまま聴かせてくれぇぇぇ!」と思いますが、これから聴く人には、フックがあったり面白い方がいいですもんね。

最後、なんか4人?で和やかに(若干、毒入ってそうだけど。ジョージをいじってる?)ふざけて笑ってるのが、泣けてくるです。

ディスク3に続きます!

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