『アビー・ロード 50周年記念盤』全曲感想 【セッションズ ディスク 3 】スーパーデラックスエディション




今回はディスク 3 セッションズの全曲感想です!

週末に浸るのにはもってこいの、このブツ。

フィジカルでも配信でも。CDでもアナログでも。Apple MusicでもSpotifyでも。

 

 

ディスク1 (オリジナルアルバム)2019 ステレオ・ミックス 、およびディスク2 セッションズについてくわしくはこちら

『アビー・ロード【50周年記念スーパー・デラックス・エディション】』ディスク3 アルバム情報

『Abby Road 50th Anniversary  Super Deluxe  Edition』 

2019年9月27日リリース

Disc 3 Sessions

M-1 Come Together (Take 5)
M-2 The End (Take 3)
M-3 Come And Get It (Studio Demo)
M-4 Sun King (Take 20)
M-5 Mean Mr Mustard (Take 20)
M-6 Polythene Pam (Take 27)
M-7  She Came In Through The Bathroom Window (Take 27)

M-8 Because (Take 1 – Instrumental)

M-9  The Long One (Trial Edit & Mix – 30 July 1969)
M-10 Something (Take 39 – Instrumental – Strings Only)

M-11 Golden Slumbers/Carry That Weight (Take 17 – Instrumental – Strings & Brass Only)

いよいよ完成に向かっていくアビー・ロード・セッション!

 

 

『アビー・ロード【50周年記念スーパー・デラックス・エディション】』ディスク3 全曲感想

M-1  Come Together (Take 5)

ジョンのヴォーカルが正規テイクよりラフでやんちゃなのが聴きどころ。

Look out!

なんてシャウトしちゃってるし。

I’m loosing my cool…

なんて思わず言っちゃってるし。

笑い声から始まることからもわかるように、最初から最後までジョンさん、ノ(or ラリ?)ってます。

M-2 The End (Take 3)

最初のジャムっぽいの、なんかいいぞ。

リンゴのドラムが正規テイクと叩き方が違うので面白い。

終わり方が、ブルースのベタなパターンなのが、この曲に似合ってなくて思わず笑っちゃいます。

いや、それともこの曲、もともとブルースが基にあるのかな?

M-3 Come And Get It (Studio Demo)

バッドフィンガーに提供されたこの曲。

バッドフィンガー版か、このポールのデモ版(ブート)、どちらを先に聴いたか記憶が定かではないですが、初めて聴いた時「いやいや、そっくりそのまますぎやん!」と思いました。

バッドフィンガー版もポールがプロデュースしたため、「まんま」にさせたのでしょうね。

よほどの自信がないとできないことだと思いますが、実際、バッドフィンガー版はイギリスで最高4位、アメリカで最高7位と実際ヒットしました。

ポールはこの曲に対して思い入れがあるみたいで、彼の2011年頃のライブでこの曲を披露していますね。

過去曲の中でもこれやるなんて、マニアック!なんともめずらしい。

マーク・ルウィーソン『ビートルズ/レコーディング・セッション』によると、通常他のアーティスト提供曲のデモ録りは、普通個人的に行われるが、ポールはアビー・ロード・セッションが始まる前に1時間で録ったようです。

ダブル・トラッキング用ヴォーカルとマラカス、ドラムス、ベースの順にオーバーダブ、これをステレオ・ミックスにするまで、1時間!

ポールにとれば朝飯前の作業だったのでしょう。

面白いことに、この作業をしている間、ジョンがコントロール・ルームにいたそうです。

昔どこかでジョンが「この曲は嫌いだ」と言ったようなことを読んだ記憶があるのですが、ひょっとしたら「嫌いだ」の部分に、ビートルズの時間のはずなのに1時間待たされたから、って理由ちょこっとくらい乗っかってる気がする 笑 

バッドフィンガーのテイクよりテンポが若干遅いのですが、個人的にはこのテンポの方がこの曲の持つ悠長な不思議な魅力に合っていて、なんとも味があって好きです。

こちらはステレオ版ですが、『アンソロジー3』にはモノ・ミックス版が収録されています。

M-4 Sun King (Take 20)

途中、鼻歌のようなジョンの歌が少し聴こえますが、ほとんどヴォーカルなしの演奏ヴァージョン。

演奏はすでに出来上がっている様子。

M-5 Mean Mr Mustard (Take 20)

正規テイクよりかなりスロー・ヴァージョン。

ジョンの歌い方もなんか遅い分、のっぺりしてますね。

M-6 Polythene Pam (Take 27)

M-7 She Came In Through The Bathroom Window (Take 27)

冒頭、喋りと演奏で確かめてるとこが、楽しいですねぇぇぇ。

リンゴのドラムが「デイブ・クラーク・ファイブみたいだ」と笑っているジョンの声も入ってます!

トラックとしてはM-6とM-7と別れていますが、実際は続けて演奏されています。

そして意外?なことにルウィーソン本によると、ジョンの曲(ここでは「Polythene Pam」)とポールの曲(ここでは「She Came In Through The Bathroom Window」)とが一つに合体されて録音されるのは初めてだそうです。

歌がない箇所などがありますが、演奏はかなり出来上がっているので、まるでリハーサルを聴いているような感じで、別テイクとして楽しめます。

正規テイクよりもドタドタしていて好みです。

M-2M-8 Because (Take 1 – Instrumental)

テイク1で、すでにもう出来上がっているじゃないですか!

正規テイクには入っていない、リンゴのハイハットでリズムを刻む音が入っています。

これは演奏中のミュージシャンのヘッドフォンに流されただけで、録音はされなかった。

「リンゴは私たちのドラム・マシンだったんだ」とジョージ・マーティン

マーク・ルウィーソン著『ビートルズ/レコーディング・セッション』

つまり、3人のビートルたちが聴いていた音を聴けるってわけです。

そしてみんなのためにドラム・マシンと化してリズムをソフトに刻むリンゴ。

好き。

M-9 The Long One (Trial Edit & Mix – 30 July 1969)

ザ・ロング・ワン。長いやつ。

16:10もあります。

つまりB面のメドレー部分を仮に編集してつなげたラフ・ミックス版なのです。

「You Never Give Your Money」

Out of college, money spent

See no future,pay no rent

All the money’s gone nowher to go…

のとこにも正規テイクには入っていないコーラスが入っていて、それがいいですね。

One two three four five six seven

All good children go to heaven

のとこも、一回早く入ってくるのが新鮮。

「Sun King」

ルウィーソン本によると、前曲「You Never Give Your Money」とを繋ぐクロスフェイドの部分で、このヴァージョンではオルガンの音で繋いでいますが、正規テイクのように虫の声(SE)で繋ぐというナイス・アイデアは、この5日後にポールが思いつくことになるのだそうです。

ちなみにうちでイヤフォンでこのヴァージョンを聴いているのですが、このクロスフェイド部分でなぜか虫の声が聴こえてくるという不思議現象が…!

なんのことはない…うちが田舎だからでした〜!

今、ちょ〜〜〜ど秋の虫の鳴き声がキレイに聴こえてくんですよね〜。

自前SE用意しときました。

「Mean Mr Mustard」

Her Majesty」

「Polythene Pam」

そしてそして…

「いや、Her Majestyの位置!!」

粗品(霜降り明星)の声と手振りで聞こえてくるようです。

「Her Majesty」さん、おまけではなくて、最初の方のアイデアではこのロング・ワンで聴けるように「Mean Mr Mustard」と「Polythene Pam」の間に入ってきはります。

だから「Her Majesty」の最初はジャーン!って派手な音なんですよね。

若干残ってんですよね。ポリシーン・パンの最後の音が。

しかし、ルウィーソン本によると、このミックスの作業時にその場にいたポールが「Her Majesty」のことを「気に入らないから捨てちゃって」と言ったそうです。

やっぱり違和感あったんですね。でも曲ごと捨てろとは無慈悲な…。

でも何も捨ててはいけないと言いつけられていたジョン・カーランダーというスタッフはおしりにこの曲をひっつけておいたそうなんです。

そんな偶然の産物を、今度は逆にそれいいじゃない!と残すところが、ビートルズのなんとも冴え渡っている感性で、お見事ですね。

「She Came In Through The Bathroom Window」

これはほとんど正規テイクのラフ・ミックス版て感じかな?

演奏が生っぽいのがこれもいいな。

「Goleden Slumbers」

ポールのヴォーカルがラフで、でも感情が込もっていて、演奏もほぼ完成しているし、ラフなリハーサル・ギグ的な演奏を聴いているようで楽しめます。

楽し〜〜!

「The End」

リンゴのドラム・ソロは正規テイクと同じものですね。

正規テイクのポール→ジョージ→ジョンのギター・バトルがなく、延々じゃーじゃ、じゃーじゃって鳴ってます。そこんとこは2曲目のテイク3と一緒ですね。

M-10 Something (Take 39 – Instrumental – Strings Only)

これは「Something」のストリングス・パートのみ。

ジョージ・マーティンがスコアを書いたということですが、これが非常〜〜〜に美しくて背筋がゾクゾクきました。

あの素晴らしい曲の後ろで、こんなまた別の素晴らしい音楽が鳴っていたとは!

ビートルズ初期は「ジョージ・マーティンが先生だった」とビートルズは言っていましたが、納得ですね。

息子(ジャイルズ・マーティン)が収録して日の目を見たので、ジョージ・マーティンも草葉の陰で喜んでいることでしょう。

M-11 Golden Slumbers/Carry That Weight (Take 17 – Instrumental – Strings & Brass Only)

こちらも同じくジョージ・マーティン作のストリングスとブラスのみ。

こちらもまた美しい。

美しいし、なんだかビートルズの曲の新しい膨らみというか、新しい楽しみ方を覚えたというか。

ビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」のインスト版を初めて聴いた時に似た快感がありますね。

ジョージ・マーティンの正規テイクのストリングスのみのヴァージョンを集めたアルバム、すっごく聴いてみたくなりました。

アルバム『イエロー・サブマリン』のB面がありますが、あれはほんとにオリジナル、スコアだもんね。

これで、『アビー・ロード 50周年記念盤』スーパーデラックスエディションのディスク1、ディスク2、ディスク3の全曲感想、以上で終わりです!

久しぶりにビートルズをたんまりと聴く機会ができ、また録音についての詳細などをいくつかの本で調べたり、そして4人の姿や雰囲気を想像したりと、とても楽しかったです。

ディスク2もそうでしたが、このディスク3の曲も会話などがよく挟まれています。

その部分を聴くと、4人が「これが最後」とどこかで思っていたのか、なんとも和気あいあいな雰囲気の元、レコーディングに望んでいることがわかるんですよね。

そこがいい。そこがちょっとグッとくる。

あぁ〜〜。

アビロー祭り、楽しかった!

そしてこれからも大切に、ずっと聴き続けていきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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