『ブレードランナー ファイナルカット』感想。私もレプリカントのテスト受けてみようかな…

アマゾン・プライム・ビデオで観ました!

原題:Blade Runner (1982)

監督:リドリー・スコット

配給:ワーナー・ブラザース

上映時間:117分(ファイナルカット版)

あらすじ

放射能で汚染された2019年のロサンゼルスで、高度な知能と強靭な肉体を持った、人間とほぼ同じ外見をしているアンドロイド“レプリカント”が、人間を殺害して逃亡を図った。そのレプリカントの解体処分が決定され、レプリカント抹殺専門の賞金稼ぎであるデッカード(ハリソン・フォード)が、単独で追跡調査を開始するが……。

モスコの採点

『ブレードランナー ファイナルカット』
(5.0)
モスコのひとこと

満点~!!気がつけば夢中で浸りまくり。

1982年という時代だからこそ生まれた傑作サイバーパンク・ノワール。

だけど心が痛くなりますね

 スタッフ・解説

スタッフ

  • 監督:リドリー・スコット
  • 脚本:ハンプトン・ファンチャー、デヴィッド・ピープルズ
  • 撮影:ジョーダン・クローネンウェス
  • 視覚効果監:ダグラス・トランブル
  • 美術デザイン:シド・ミード
  • 音楽:ヴァンゲリス
  • 原作:フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

このリドリー・スコットは冴えています。冴えわたっております!

でもこれリドリー・スコットが後出しじゃんけんでこねくり回したあとのファイナルカット版だから、当然といえば当然?

そう、この作品は何ヴァージョンあるかわからないくらいの数々のヴァージョンが存在するため、どう捉えていいか難しいところです。

でもなんにしても素晴らしい。

観たものが素晴らしければ、それでいい!

一流のスタッフによる美術、デザイン、視覚効果、音楽により徹底して表現されたのは、近未来の(いみじくも今年2019年11月という設定!)荒廃したゴテゴテのL.A.の雨降る街並み。

モスコ

私の一番のお気に入りはコルフ月品!

※「コルフ月品」:本作でよく出てくる日本語の店看板の1つ。「ゴルフ用品」の線をちょちょいと消したりしてデザインしたものと思われます。

 

今回、ヴァンゲリスの音楽に非常に感銘を受けました。

なんともはやチープでロマンティックでおセンチで、「80年代が表現する近未来」というものを見事に音像の世界で表していました。

そう、今聴くと良い意味で人間くさいんです。

今聴くと、まるでレプリカントが「人間っていいな」って思うような、そんな良さなんです。これ伝わりますか?

1980年代、私は7歳から17歳という1番多感な時期を過ごしました。

そしてその最中に音楽や映画にハマり、様々なものを摂取してきたわけですが、その当時に作られたヴァンゲリスの音楽を聴くと、いろんな五感が刺激されるようで、強烈に郷愁を誘われますし、遠い遠い記憶の片隅に引っかかっているような、景色の破片を追い求めるような気分になるのです。

そしてその破片はその時に観た映像なのか本当の景色なのか、本当の音なのか、レコードの中の音なのか。うろ覚えすぎて定かではないのです。

ほら、すっごいレプリカント的。

確かにある記憶のようだが、果たしてその記憶は本物だろうか。 誰かが埋め込んだニセの記憶ではないのだろうか。 果たしてこんなに豊かな時代が本当にあったのだろうか。

この作品でレプリカントのレイチェルが思うようなことを、私もこのヴァンゲリスの音楽を聴いて、感じたのでした。

そのことがなんとも心地いい!!

なんと甘い感傷なのでしょう。

私が最近80年代の映画や音楽をこぞって再体験しているのは、こういった体験を求めているからかもしれません。

 

モスコ

まぁ私がうろ覚えなのは単純に年のせいだろな..アハハハ…ア..ハ..。

 

出演者・解説

  • リック・デッカード:ハリソン・フォード
  • ロイ・バッティ:ルトガー・ハウアー
  • レイチェル:ショーン・ヤング
  • ガフ:エドワード・ジェームス・オルモス
  • ハリー・ブライアント:M・エメット・ウォルシュ
  • プリス:ダリル・ハンナ

リック・デッカード:ハリソン・フォード

ハリソン・フォードこそ、私が10歳の時に初めて本格的に好きになったハリウッド俳優でした。

キッカケは『スター・ウォーズ ジェダイの復讐』(1983)と『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)。

そのため1982年作の本作は、多分レンタルビデオを借りてきて、初めて観たのだと思います。

だけどハン・ソロやインディの明快さとは真逆の、このデッカードの陰鬱さ。

子供にはさすがにわかりませんでしたねぇ。

やはりこの映画のハリソンの魅力といえば、その弱々なやられっぷり。

歯も折れば鼻血も出すし、壁に打ち付けられるし、両太ももに挟まれて頭をつぶされかける!

とにかく犬のようにズタボロ。

衣装もどこか茶色い犬っぽい。

それがいいんです。

最初の自分のアパートに帰ってきたシーンでズタボロのため、シャツを脱ぐんですが、そのシャツのデザインがこれまたいい。ださかわいい。

そんでなんか頭ごと水に突っ込んで、折れた歯とかも口から取って、血出して。

これがいい。生臭い。

ハリソン演じるデッカードは痛めつけられてなんぼ。

最後なんてほぼほぼ逃げてる。

人間の弱さがよく出ている。

ファンの間ではデッカードは人間か?レプリカントか?という論争があるそうですが、私はどっちでもいいですね。

デッカードがズタボロであればそれでよしです。

ロイ・バッティ:ルトガー・ハウアー

そんな”ウケ”のハリソンに対して、こちらが本当の主役、反逆レプリカントのリーダー、”攻め”のロイ・バッティ。

演じるのはつい先日(2019年7月19日)残念ながら亡くなったルトガー・ハウアーです。

全編、スタイリッシュな美学に貫かれたかっこよい彼ですが、本当に素晴らしいのはやはりラストですよね。

あのラストで完全に人間になれた、いや、人間を超えたなにか素晴らしいものになったのでしょう。

あのラストのスローモーションの彼は、忘れがたい。

思い出すだけでも心が痛くなる。



俺はお前ら人間には信じられないようなものを見てきた。
オリオン座の近くで燃えた宇宙船、タンホイザー・ゲートのオーロラ。br>そういう想い出もやがて消える。
時が来れば、雨の中の涙のように消える……。
その時が来たようだ

 

レプリカントも人間も、長いか短いかだけで、「死」は必ず訪れる。

レプリカントのネクサス6型は4年という寿命がある分、人間よりも先に悟るのかもしれない。

こんな複雑な人間以上のなにかを演じたルトガー・ハウアーはその名演により、映画史に永遠に名を刻むことでしょう。

昔ながらの探偵もののストーリー

とにかくね、昔感じたような難解なイメージはどこへやら、すっごくわかりやすかったです。

ストーリーははもう本当にシンプルなもの。

いわゆる探偵小説、ノワールものの筋ではありがちな、探偵が依頼されて追っている依頼者の奥さんや女(この映画の場合、姪代わりに造ったロボット?)とデキてしまうといった王道のようなもの。

このファイナルカット版では一切入っていませんでしたが、デッカードのナレーションが全編に渡り入っているヴァージョンもあり(私が昔観たものも確かこれ)、それも探偵もののやり口の1つです。

その昔ながらのストーリーが、徹底された設定、美術と衣装とセットと音楽で新しく構築され、新しい世界を見せてくれる。

そこにワクワクするのです。

ブレードランナーは ”サイバーパンク・ノワール” とでも言うべきものです。

レプリカントと人間

レプリカントの”造られた命”というテーマ。

造られたものなのに、「心」があるという悲劇。

手塚治虫(あの時代に鋭すぎる)の昔から、この命題が語られ続け、答えは出ないわけですが。

レプリカントは人間に造られた人造人間、ロボットなわけですが、人間よりも優れているので、最新型レプリカント、ネクサス6型は敢えて寿命を4年と定めて作られているのです。

しかし人間以上に優れていて、感情も追って生まれてくるという彼ら。

その短すぎる寿命に、死に対する恐怖に導かれ、自分たちを造った人物に寿命を伸ばすよう求めるのですが、それは当然の行為。

逆に人間の代わりに人造人間を作り、戦争に送り込んだり、感情も生まれてくるのに短い寿命を与える人間の方が「悪」です。

タイレル社の社長がバッティに目をつぶされて殺されるのは、レプリカントと人間の違いが目に現れていることからなのかもしれません。

そしてどれだけ残酷なやり方で殺されようと、観ているもので、殺すバッティに同情を覚えても、社長に同情する人はいないでしょう。

それほど人間は勝手な生き物だし、残酷な運命に抗おうと必死に動くレプリカントたちは、哀れで切ない創造物なのです。

『ブレードランナー ファイナルカット』の衝撃波

今私はApple Musicでこの『ブレードランナー』のサントラでヴァンゲリスを聴きながらこの記事を書いております。

もう浸りまくりです。

そして、今後もずっとこの映画について思いを巡らしそうです。

今更ながら、ですが、再度きちんと出会えてよかった。

覚えているシーンもいくつかありましたが、もう20年以上観ていなかったし、ファイナルカット版だし、新鮮な気持ちで観ることができました。

しかし、この『ブレードランナー ファイナルカット』、先週の木曜までなんと全国で2週間限定でiMaxで劇場公開していたらしいですね。

先ほど知りましたよ…。劇場で観たかったな。

このタイミングよ…

今年の11月(この映画の設定)、なにかしないかな?とニラんでいるのですがいかがでしょう(希望)。

もし次があれば次こそはぜったい劇場で体験したいです!!(再度iMax希望)

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