『ジャンゴ 繋がれざる者』面白かった!脇役キャラが魅せる!

祝・『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』上映!

ということで、未見だったタランティーノ監督先品について書きます! 

原題:Django Unchained (2012)

監督:クエンティン・タランティーノ

採点:★★★★!(5つ星が満点)

タランティーノは『レザボア・ドッグス』から『ジャッキー・ブラウン』までリアルタイムで大ファンだったんだけど、その後『キル・ビル』以降自分の中で失速しちゃってそれ以降の作品観ていませんでした(^^;;

でも『イングロリアス・バスターズ』やこの『ジャンゴ 繋がれざる者』は割と評判良さげなのでこのタイミングで観ちゃいます!うしし。

今回は『ジャンゴ 繋がれざる者』!

サブタイトル”繋がれざる者”の意味

まずね、サブタイトル。

「繋がれざる者」に一言…。

うまいことつけるやないの!笑

これはクリント・イーストウッド監督・主演の『許されざる者』(1992)を意識したサブタイトルであり、パッとタイトル見ただけで映画ファンなら「あ、西部劇かな?」ってわかるんですよね。

『ジャンゴ』だけじゃ、1930〜40年代に活躍したヨーロッパのギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの映画かな?って思っちゃうかもだしね。

で、「繋がれざるもの」ってのが映画の中でなんども言われる「自由人」=Freeman=ジャンゴ、この主人公にぴったり当てはまるので、なんだかとってもおかしくなってしまうのです。

だってあっちはイーストウッドが西部劇の責任全部背負って作った最後の堂々とた西部劇だし、こっちはタラちゃんが大真面目にふざけて作ったポップな西部劇だし、全然違うんだもの。

ってここまで書いて感心してたら、びっくりしたのが、原題だってちゃんと繋がれざるもの=Unchainedって入ってるの!(遅

『Django Unchained』ってね。

で、この原題に”Unchained”って入ってる理由がウィキペディアに書かれておりました。

タイトルの『Django Unchained』は前述の1966年のコルブッチの映画『Django』(『続・荒野の用心棒』)のほか、1959年のイタリア映画『Hercules Unchained』(『ヘラクレスの逆襲』)、1970年のアメリカ映画『Angel Unchained』が基となっている。

ja.wikipedia.org/wiki/ジャンゴ_繋がれざる者より

というわけで、原題にも邦題にもオマージュになるものがあるっていうね。

なんともタランティンなタイトルじゃないの。

でもやっぱりそのサブタイトルをイーストウッドに繋げて生かした日本の人、エライね。

安定のタランティーノ印

で、久々に観たタラちゃん作品でしたが、素直に面白かった!

まずオープニングから人喰ってます。

先ほどのウィキの引用にも出てきた『続・荒野の用心棒』(原題タイトルはその名もDjanngo!)の主題歌をそのまま引用、そのままサンプリング!

これ、『ジャッキー・ブラウン』でも『110番街交差点』(1973)原題:Across 110th Street の主題歌(ボビー・ウーマック!名曲!)をそのまま使ってて、こんなのアリなんだ…とびっくらしましたが、ここでもそのワザ健在でした。

普通に考えてありえないんですけどね、別の映画の主題歌を自分の映画の主題歌に使うの。

それってめちゃくちゃアホみたいな映画マニアの見る夢ですよね。

それを今でもハリウッドのドメジャー作品で体現してるタランティーノ、マジリスペクトです。

あと、なんどもなんども痛めつける拷問シーンも何回も出てきて、これもタランティーノの中でくすぶる強いルサンチマンは一生消えないものなんだなぁと妙に納得させられました。

殺す前にまず徹底的に痛めつける!これタランティーノ映画の基本!

あと、みんなリアルに歯が汚い。

リアルに撃たれたら血しぶき上げて、でもすぐ死に切らなくて呻いてる。

こんなとこに妙にリアルさを求める辺りも健在。

タラちゃん、変に大人になってなくてよかったです。

それではここから魅力的なキャストを紹介。

ジェイミー・フォックス – ジャンゴ・フリーマン

タランティーノ作品は脇役の方が主役よりどんどん面白くなってくる。

だから明確な主役のいない群像劇であった『レザボア・ドッグス』や『パルプ・フィクション』はずーっと最初から最高に面白かった。

逆に1人主人公を立ててタイトルまでにした『ジャッキー・ブラウン』やこの『ジャンゴ 繋がられざる者』はそのタイトルである主役がかすむほど脇役や端役が面白い。

そういう変なジンクスがあります。

(ということは『ズ』とある『イングロリアス・バスターズ』も群像劇であろうし、楽しみです)

ジェイミー・フォックス演じるジャンゴも、いいんだけど、ドクター・シュルツやキャンディに比べると、ちょい損な役回りです。主役だけれども。

だし、ジェイミー・フォックスって妙な線の細さがあるんですよね。

声もどこか小さいし女性的だし。

その点、スタイリッシュさを生かして、いろんな衣装着てて、どれもが全部様になっているのは、そーゆーとこさすがでしたけどね。

妙に存在感が薄い主人公、それがジャンゴ・フリーマンです。

蛇足だけど、このフリーマンっていう姓。

この映画観たら、例えばモーガン・フリーマンの祖先ってこんな風な“1万人に1人の黒人”だったのかしら?とか楽しい想像湧きますね。

クリストフ・ヴァルツ – ドクター・キング・シュルツ

私はまだ『イングロリアス・バスターズ』は未見なので、この人は初めてお目にかかったわけですが…。

いやぁ、非常にいい役もらってるし、また非常にいい役者さんですねぇ。

実際『イングロリアス・バスターズ』とこの『ジャンゴ 繋がれざるもの』でアカデミー助演男優賞をとってるんですよね。

このドクター・キング・シュルツというキャラクターはなんとも興味深い存在で、裏主役と言っていいほどの美味しい役柄でした。

どれだけ美味しい役柄かというと、途中からこのキャラクターの結末が想像できる、そんな美味しさなんですよね。つまり殺されちゃうのがわかる美味しさ。

ヤクザ映画でいうと、ジャンゴが高倉健でこのシュルツはさしずめアニキ的な鶴田浩二といったところか。

一番マトモで人間味溢れる、ドクター・キング・シュルツ。

心に残るキャラクターです。

いちいちちゃんと挨拶する彼の馬も愛らしかったですね(*´꒳`*)

そんでもってあの馬車の天井でびょんびょんしてる歯!

彼の周りはいちいちキュートだ。

レオナルド・ディカプリオ – カルビン・J・キャンディ

このディカプリオの悪役が、非常によかったですねぇ。

またディカプリオが嬉々としてこの悪役を演じているのがわかって、それもまた楽しい。

撮影中、手を切ったアクシデントもなんのその、そのまま演じ切り、そのシーンもそのまま使われました。

あのシーン、鬼気迫っていものね。ディカプリオ、男見せたね。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でのブラッド・ピットとの共演が楽しみです。

サミュエル・L・ジャクソン – スティーヴン

出た!これこれ、この顔力、この迫力!

最初誰かわかんなかったです。

完全に典型的な黒人の執事爺ぃになりきってる。

で、怖いのが作中でも、実は爺ぃになりきってて、でもその実態はしゃんとしてるキレ者だという、とんだ食わせ物なんですね、このスティーブンって男。

実際、裏ではキャンディを操って、いいように動かしていた節も。

不気味ですねぇ。

なもんで、キャンディが撃たれた時、マジで抱きしめて泣いてるとこ、ちょいと気持ち悪くて、印象的でした。

タランティーノ作品になくてはならない人がまた使い続けられている嬉しさ。

ドン・ジョンソン – スペンサー・”ビッグ・ダディ”・ベネット

ここでまた今、ドン・ジョンソンを使う、っていうのがシビレさせてくれるんですよねぇぇぇ、タランティーノォォォ!

こういうね、時代的にはちょっと落ち目の、でもまだまだいい仕事しまっせ的な、役者をいいカムバック作として使うのが、タランティーノはうまいんですよね。

これも以前『ジャッキー・ブラウン』でロバート・フォスターを使ったのを思い起こさましたね。パム・グリアーもそうだけど。

この作品のドン・ジョンソン、決していい者の役ではないし、その後に出てくるディカプリオの前座的な役割だったけど、ディカプリオ演じるキャンディほど狂ってない、悪いやつではないというキャラクターでね。

ちゃんと持ち味生かされててて、すっごい嬉しかったなぁ。

『マイアミ・ヴァイス』世代なもんで(*´꒳`*)

真っ白な衣装もまたいい。似合ってる。

そんな感じでフランコ・ネロとブルース・ダーンもちょろっと出てくるのですが、それもまた映画ファンの嬉しいところを突いてきます。

 
 

上映時間165分と2時間半超えな長尺で、私は映画は90分派!てくらい長い映画は苦手なのですが、全然楽しく一気に観れました。

基本、復讐劇なわけで、タラちゃん印のグロいシーンも散見できますが、そこまでひどいものではなく、またそこについてもちゃんとオチをつける=復讐してくれたりもするので(「これはダルタニアンの仇だ!」)スカッとします。

なかなかな人種問題を過激に描いているわけですが、そこはタランティーノ、どこまでもポップにマカロニ・ウェスタンの意匠を借りてやりたい放題、描きたい放題やってます。

あのマカロニ・ウェスタン風に派手なズームインするとことか笑っちゃう。

もともとブラック・カルチャー好きなタラちゃんではありますが、実際問題、黒人の歴史を描きたかったというよりは、ただドンパチ派手にやりたくて、で、インディアンを悪者として描けないこの現代、誰を絶対的な悪にするかというところで、”黒人を奴隷化して使っていた南部のアメリカ人”、というのを持ってきただけなんだろうなぁという気がします。

そりゃスパイク・リーに非難もされるでしょうね(^^;;

だけどタランティーノが復活してきていることがわかり、彼らしさもいい形で発揮できており、十二分に楽しめる娯楽作でした。

満足できる作品でした!

 
 

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