『マインドハンター 』シーズン2。ヘヴィな見応え、さすがの出来。最後まで観た感想。

2019年8月16日、待望の『マインドハンター』シーズン2が配信されました!

果たしてシーズン2の出来は…?

長〜い夏休みのラストスパートのこの時期、子供が寝てからの時間に、夜更かしして2日間で最終話まで一気に完走しましたよー!

私の感想ですが、一言で言うと…

観終わった後の気分がずーんと重いけど、シーズン3がきたらまた絶対観る!!

それくらいやっぱり面白い…!重いけど観たい!

これに尽きます。

このシーズン2では、おなじみの3人組のキャラクターがより深掘りされていきます。

この3人の深掘り部分は原作にはなかった創作部分ですが、それぞれ3人とも面白くて見応えがありました!

ホールデンのパニック事情

ホールデンくん、シーズン1のラストで、連続殺人鬼エド・ケンパーにめっちゃ脅かされて、その場を逃げ出し、途中で倒れました。

で、シーズン2でその顛末が最初に描かれるわけですが、結局そのまま入院(倒れた場所は刑務所内の病院だったのです)。

「パニック障害的なことだと思うけど、おれ分野違うから詳しいことはわかんねー、とにかくストレスかかることはやめてねー」

by 刑務所内の医者

という診断で、即退院。

だけど、ホールデンの仕事柄、連続殺人犯と会い続け、インタビューし続けないといけないわけで、ここら辺の緊張感(いつパニックの発作が出てくるか)が見所でした。

だけどね、そんなん言うてる間に、とんでもない事件(アトランタの児童連続殺人事件)や、テンチの家庭に起こったもう一つのとんでもない事件の方がえげつなくなってきて、このパニックの発作は二度と起きるスキが脚本の中にないのでした。

ホールデンくん、1人で成長せざるを得なかったのね…。

だけど唯一、退院してから発作が起きるのですが、ちょっとそこ面白かった。

前の局長の引退パーティーみたいなシーン。

あかん、思い出すだけでも…(* ̄m ̄)プッ. 笑

テンチの、局長を讃えたり、少し落とすようなジョークを言って場を和ませるスピーチの次に、よせばいいのに意気揚々と「僕にも言わせてください」とスピーチをしようとするホールデン。

なにも言わずにその場を離れる局長。

追いかけて「パーティの主役がいなくなっちゃって。どうしたんですか?」なんて余裕で訊くホールデンに

「お前のせいでわしはクビになっとんじゃーーー!!!」

とキレる局長。と、そこから

お前のその自信満々のスピーチをなんでわしが聞かなあかんのじゃー!

お前が出しゃばるから!お前が…お前が…!!

とか、滅多打ちにされるのですが、ホールデンにしたら思いがけない責め苦で、ここでパニック出ちゃうんんですよね。

なんかここムショーに笑っちゃたんだけど私だけ?笑

ホールデンも元局長もマジなので、面白いの。

ホールデンの「自分の立場見えてなさすぎ」具合が笑えて。

あんたそれでなくても、もともとめっちゃ局長に嫌われとったやん!っていう 笑

こういう、ちょっと「悪いよ!もう… 笑」っていうジョークの感覚の持ち主なんでしょうね、デヴィッド・フィンチャー。

テンチの家庭事情

ここがねぇ、今回のシーズン2で、個人的に一番の盛り上がりだったし、見応えもあったし、心が痛かったとこですね。

テンチは愛する妻と、3歳の頃に養子にもらった男の子と3人家族で住んでいます。

で、この男の子、今は9歳だっけか、それくらいなのですが、ほとんどしゃべらないんです。このくだりはシーズン1でも描かれていて、なかなか難しい子育ての真っ最中だなぁなんて思っていたのですが。

今回、シーズン2では、よりこの息子くんの問題が表面化していきます。

なんと近所の年上の少年たちが起こした殺人事件の場に、この息子くんも加わってしまうのです。

そしてそれを警察が割り出すまで、両親に何も言わなかったんですね。

助けを求めなかった。

ただ精神的苦痛は身体には出ていて、突然おねしょを繰り返したり、赤ちゃんのおもちゃで遊ぶなど幼児に返るような行為が出てきたのです。

この辺の描写もね、すごく繊細というかけっこう観ててキリキリになっちゃう感じで。

もちろん、テンチも奥さんも息子くんの力になろうとしているのですが、一向に何も話さないので、その辺の手の打ちようのなさも、キリキリになっちゃうんです。

あ、このキリキリってなんだかわかんないですか?

私にもわからないんですが、なんか、んーーーーも〜〜〜〜キリキリキリ…!!

となるんです、観てて。

やっぱよくわかんないですね。

ただ心はかき乱されまくっている感じです。

で、テンチは、アトランタの事件の被害が止まらず、捜査の方も思うように進まないために、事件が解決するまでアトランタに出張し続けないといけなくなるのですが。

この息子くん、歳も幼く、犯行に加わっていなかったため、家庭内で保護観察みたいな立場になるわけで、当然その筋の医者との定期的な面接や、福祉士の訪問などに対応し続けないといけないわけです。

なので、週末ごとに家に帰ってくるというしんどい状況になるテンチ。

だけど奥さんも相当参っていて、出張前から「休みを取って家に一緒にいてくれ」つまり一緒に対処してくれって言ってるのだけど、もちろん無理。

近所からの視線も冷たいものになり、いたたまれなくなった奥さんがせめて引っ越しをして家族で新しくスタートしたい、とテンチに言うのですが、重要な難事件を抱え、家との往復にも疲れ切っているテンチは

「落ち着いたら、事件が解決したら考えよう」

と言うばかり。

奥さんからしたら「いつ解決するのよ!」てなもんで、奥さん自身もだんだん病んでくるわけですね。

この描写が非常にツライ。

誰も悪いわけじゃないんですよ。

テンチも十分やっている、奥さんの気持ちもわかる。

息子くんがしゃべらなかったり、犯罪に加わってしまったのも、もともとの育った環境にあるのかもしれない。息子くんももちろん悪くない。

誰も悪くないのに、得てして家庭とは家族とは、こうやって壊れていってしまう時があるようです。

村上春樹『ノルウェイの森』を読んでレイコさんの教訓を身に刻んでいる者としては、奥さんが引っ越したいと訴えたその時に、なにはなくとも引っ越すべきだった、そう思います。

「遅すぎる」ということは自分に対してはなくとも、人に対しては、「ある」のです。

テンチに悪気はなかたっとはいえ、そのせいで大切なものを全てなくしてしまうことになります。

彼自身、疲れすぎて、奥さんのことを見れていなかったのでしょう。

果たしてシーズン3で、家族とやりなおせたりするチャンスはテンチにあるのでしょうか。

ほんと、FBIだろうが、サラリーマンであろうが、自営業であろうが、仕事と家庭の両立と言う問題は、多くの人が抱えているものだと思います。

さらにお互いが疲れすぎていて、お互いのこと、子供のことを思いやれない、ゆえに家庭内の状況が徐々に静かに悪い方向へ進行していく。

私もやはり覚えのあることなので、本当に身につまされる思いで観ていました。

その悪い方向へ静かに進行していく様が怖いんですよね、リアルで。

奥さんの「1人にさせて」とキレるとこもリアルすぎたなぁ。

そして、どこに行くんだというテンチの問いに

「わからない、モールかどこか」

みたいな答えの奥さん。

わかりみが深すぎる(´;ω;`)

1人にさせてもらってもどこかに行きたいという積極的な気持ちなんてとっくにないんですよね。

限界きてるからね。

これ、男が女が、ダンナさんだから、奥さんだから、って話じゃもちろんない話で。

「(問題を起こしたけど、その子が養子なので)自分が産んだ子じゃなくてよかった」

と奥さんがつぶやいたその時、テンチは無理にでも休みを取るべきだったのでしょうね。

相当ひどい言葉ですが、そう言わせてしまうほど、奥さんの心は疲れに疲れ切っていたんだと思います。

多分、養子をもらう夫婦の一番言ってはいけないワードをわざわざ言ってるんですから。

私は余裕がまったくない、やばい状態である、ということを暗に夫に伝えていたんだと思うと、逆に切なく響いてきます。

ただ、テンチ側からしたら、あのタイミングで休みを取ることはイコールクビになる、あるいはそこまででなくとも降格とかあってもおかしくないような状況なのも事実。

いらんこと言いのホールデンの子守も上司に仰せつかってましたからね!

ライフワークバランスが叫ばれる昨今のアメリカであれば許される状況かもしれませんが、1980年代初頭のアメリカなら無理でしょうね。

なんなら現在の日本はまだ無理な場合が残念ながら多いかもしれません。

なんともツライ状況のテンチであります。

だけど、やっぱり今回も強く思ったのは、このシリーズ、やはりこの男・テンチのルックスが非常に効いているわけです。

どのカットを観ても、テンチが出ていれば、締まるんです。

素晴らしい役者の素晴らしい活かし方だと思います。

ウェンディ・カー博士のラブ事情

紅一点ウェンディには新しい彼女ができました。

しかも結構かっこいい、セクシーないい姉ちゃん(誰、わたし)

だけど、ここもただのハッピーな要素や描写にならないのが、このシリーズのいいところ!

いろいろ問題提議をしていました。

お互い大人だし、いい感じで進んでいっていたのですが、別れのきっかけになったのは、彼女側の元夫が玄関先まで子供を預けに連れてきた時の会話!

その時の言葉や話し方がウェンデイ的にもうダメだったようです。

いわく

「あんなに高い声で話すのね」

=男の前で女女してんじゃねーぞゴルァ

「転職なんて話聞いたことなかった」

=自分の仕事(バーテンダー)に自信を持っているって言っていたのに、この二枚舌振り信じらんない

そして極め付けが彼女が元夫にウェンディのことを「大切な人なのか?」と訊かれて

「ううん、たいした関係じゃない」

みたいに言ったこと。

彼女側からすれば、元夫を早く退散させようと、口からでまかせを言って相手に合わせて言っていたそうなのですが。

ウェンデイ的には傷つきますよね。

傷つくし、この子、こんなとこあったんだってショック?

たぶんウェンデイは完全なレズビアンであるため、彼女が過去男性と結婚してたってだけでショックだったんだろうし、さらにその元夫の前では自分といる時とは違う彼女が出てきて、本能的にいやだったんだろうなぁ。

こんな複雑で繊細な事柄を描写できるのも、地上波ではないNETFLIX、VODならではですね。

しかしこのウェンデイの不器用さと頑固さはいいですね。

こんなキャラもVODならではですね。

ウケ狙わなくてもいいんだもんね。

アメリカのテレビドラマシリーズって、ただかわいい、ただキレイなだけのお姉ちゃん、めっちゃ出てくるからなぁ。

例)シカゴなんたらとか、シカゴなんたらとか。好きだけど。

なので、この媚びない女、ウェンディは断固応援して行きたいキャラクターです!!

有能なジム・バーニーの事情

アトランタのFBIで働くジム・バーニー。

彼はシーズン1にも出てきました。

FBIの出来立てほやほやの行動科学科で人員募集した際に、自ら希望してテンチらに面接されていました。

一番優れていてテンチも採用に推したのですが、実際採用されたのは、親のコネで入ってきた別の白人男性になるのです。それがグレッグ・スミス。

この彼、悪い人ではないのですが、なんだろ、この課には合ってないんじゃ…。

ホールデンたちのことを上層部にチクるしね。

犯罪者たちとのインタビュー・シーンでも、執拗に彼の無能さが描かれます。

で、彼に対して、アトランタのジム・バーニーの方はまぁ優れてる!頼りになる!!

アトランタにやってきたホールデンとテンチの、これ以上はないというサポートを見事にやってのけるのです。

つまりひたすら優秀に描かれます。

このドラマの時代、シーズン2で言えば1970年代終わり〜1980年代初頭。

この時代はFBIといえども、いやFBIというエリート集団社会であったからこそ、人種問題やコネがモノを言う、ということを表したかったのだと思います。

アトランタという土地は結構な黒人社会みたいなので、バーニーは当然のようにそこに派遣されたのかもしれません。

バーニー、今すぐ行動科学科に入って、活躍してほしい!

逮捕までジリジリ。犯人出てきた瞬間スカーッとするカタルシス!

最初にもちょこっと書きましたが、このドラマのシーズン1を観終わってから、興味を持ち、このドラマの原作本を読みました。

このシーズン2では第3話目あたりから「アトランタ児童連続殺人事件」がメインでフューチャーされるわけですが、原作本でもチャプター1つを割いてこの事件について語られます。

で、犯人の写真もあらかじめ本に載っていたので、私はその顔も見ていたのです。

そして、本を読んだあとにこのシーズン2を観れて、実際よかったなぁと思いました。

なぜなら、真犯人(とされる人物)にたどり着いた時のカタルシスが、本を事前に読んでいたことにより、倍増したんじゃないかなーと思ったからです。

と言うのもこの事件、相当な難事件で、解決までに相当な年数がかかっており、その間に被害者の数も恐ろしいスピードで増えていくわけです。

その間に何人か怪しい人物が浮上してきて、尋問をうけたりするわけですが。

非常に怪しいのもいるんですが、そのたびに犯人じゃないのを知ってるんです。

あの顔、あの人種じゃないからね。

で、エピソードももう何話分続いたんだーというくらい、たっぷりと時間とじれったい描写を使って上手くいかない捜査を見せてじらしまくり、いよいよ最終話1歩手前、第8話目のラスト。

その真犯人(とされる人物)にたどり着いた瞬間、カメラワークがズズズーっとその男にズームインしていくんですが、そこであの本に載っていたのとそっくりな男がそこにいたもんだから、背筋がぞぞぞーってきて、めっちゃカタルシスがあったんですよね!

こりゃあすごい。

シーズン1でも、実在する連続殺人鬼エド・ケンパーのそっくり振りが話題になっていたようですが、このアトランタの事件のウェイン・ウィリアムズも相当そっくりです。

あ、そっくりといえば!

このシーズン2では有名なチャールズ・マンソンと、「サン・オブ・サム」ことデビッド・バーコウィッツも出てきますが、こちらもやばいくらいクリソツです。

しかもマンソン役の役者さん(デイモン・ヘリマン)は、もうすぐ日本でも公開されるクエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で同じくマンソン役を演じているというお遊びも!

ただね、お話はその後はひたすらもやる。

なぜかというと、本読んで知ってたんですが、このアトランタの事件っていうのがもうほんとに救いのないもので、で、それ以上に結末も救いのないのものなんですよね。

被害者のほとんどが子供で、人数もすごく多くて、しかもいまだに事件としては起訴されていない、つまり罪に問われていないのです。

このウィリアムズと言う男は大人2人を殺害した罪で終身刑×2で今も刑務所に入っているわけですが、たくさんの子供たちの殺害に関しては証拠不十分で不起訴なんです。

これ、子供の親からしたらとんでもない苦痛です。二次被害といってもいいでしょう。

被害者も被疑者も黒人だということ、当時の警察とFBIの連携されなさ、アトランタという土地柄の政治がらみの問題、様々な問題が絡み合って、この子供たちの問題が30年以上経ったいまも犯人不明のまま、捜査も再開されないままとなっています。

そのことをこの作品が問題提議しているので、なんらかの形で少しでも解決に向かう方向に進めばと願います。

でないと、本当に大勢の亡くなった子供たちが救われません。

このドラマの宣材ポスターはロールシャッハテストの柄をモチーフに作られています。

そこの下の方に子供らしき人物の顔が配置されているのですが、その表情といい、これはどうかと思います。

私には非常に悪趣味に見えるのです。

やはり現実にあった事件は重い。

さらにこの事件は非常に重い。

子供が犠牲になる事件はいたたまれません。

このドラマ、および原作本でも常に言っているのは、犯人たちは常に被害者を探している、つまりハンターが獲物を見定めるように、犯人も、犠牲者になりえる人物を物色してるといいます。

この事件では犯人は主にモールやアーケード(ゲームセンター)などで子供を物色していたということでした。

そういった場所では、子供を1人にしない、1人で行かせない、目を離さない、隙を作らせない、など子供に対する対応も大切になってくると思います。

私はアメリカでも日本でも事情は変わらないと思います。

子供が大きくなるにつれ自由な行動も増えていくので、なかなか難しい問題ですが、おおげさではなく常に危険と隣り合わせという意識を持ちたいと人の親として思っています。

そして自分の子供だけではなく、子供は大人みんなで見守る意識をもう少し持ちたい、と思いました。

ちなみに同じNETFLIXのオリジナル・シリーズで人気作の『ストレンジャー・シングス』。

同じ2019年の夏に新シーズンをリリースした『ストレンジャー・シングス』と『マインドハンター 』となりましたが、共通点がありました。

それは1980年代前半の出来立てのモールとアーケード(ゲームセンター)です。

そして子供たちが危険にさらされると言う点でも、フィクションではデモゴルゴン、実際は殺人犯といった違いはあれど同じ構造です。

あっちはフィクションだから楽しめましたけどね…。

最初と最後のウィチタのあいつ、どうにかしてくれ〜!

そして悪趣味といえば、こちらも…。

このシーズン2の冒頭と、ラストに出てくるあいつ、いるじゃないですかぁ…。

こんな言葉使うことあんまないけど…

こいつのせいで、ずいぶん胸糞悪いんだ!

気持ち悪いったらありゃしない、カンザスはウィチタのあいつ。

ウィチタで思い起こすのはウィチタ・ラインマンという名曲だけでいいのに…。

なーにがBTKだよぉ、かっこつけてんじゃねーよ〜(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

あの犯人が逮捕されるのは、まだまだ先の出来事なので、シーズン3でもシーズン4でもチラチラ出てくるだけで、逮捕されない気がする。

ほんとマジヤダ_:(´ཀ`」 ∠):

まぁラストにわざわざ付け足してくる辺りも、フィンチャーの悪趣味なユーモア感覚を感じますが。

この犯人(の変態行為)をまたチラッ、チラッと見せられるハメになるのなら、このドラマ、シーズン3来てももう観ないっっっ!

…って言いたいところだけど、、またがっつり観ちゃうんだろうなぁ。

いや、間違いなく観る!

ホールデン、テンチ、ウェンディの勇姿をこれからも観続けたいのであります!

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