『スタンド・バイ・ミー』感想。あの時も今も変わらず大切な映画

当時この映画に出てくる少年たち(12歳という設定)とほぼ同年代の私は映画館でこの映画を観ました。

さらに2,3年後くらい経った高校生の時、授業中に視聴覚室でこの映画をクラスのみんなで観ました(当時の担任ナイスチョイス〜!)。

その時にこう思ったことをよく覚えています

 

モスコ

子供の時にこの映画を観れてよかった

 

どういうことかと言うと、まず1つに今、周りにいる友達を大切にしようと思えたこと。

もう1つは、子供時代は今だけの大切な時代なんだ、と客観的に思えたこと。

そしてまだこういったことが間に合うような年齢であることがありがたいと思いました。

そしてさらにありがたいことに、その時一緒に映画を視聴覚室で観た友達は、今でも変わらず大切な友達として、いてくれています。

そんなわけで、自分の中でもとても思い入れのある大切な映画だったのです。

 

さて、時は流れて33年後(ひぃ〜〜〜)、今観たらどんな感慨が起きるのでしょーか!

結果的に、今観ても非常に感動しました。

大人になってから観ると、さらに人生の時の流れの重み、子供時代の二度とは戻ってこない哀しさや美しさなどを感じ、より感動が倍増されました。

映画の主人公が子供時代を振り返るように、自分も子供時代を振り返ることができました

 

モスコ

大人としてまたこの映画を観ることができてよかった!

 

2019年9月現在、VODではアマゾンプライムで観ることができます。

原題:Stand By Me (1986)

監督:ロブ・ライナー

配給:コロンビア映画

上映時間:89分

あらすじ

12才の夏、誰も大人になんかなりたくなかった・・・・・・。

1959年オレゴンの小さな町。
文学少年ゴーディをはじめとする12才の仲良し4人組は、行方不明になった少年が列車に轢かれて野ざらしになっているという情報を手にする。
死体を発見すれば一躍ヒーローになれる! 4人は不安と興奮を胸に未知への旅に出る。
たった2日間のこの冒険が、少年たちの心に忘れえぬ思い出を残した・・・・・・。

 

Amazonより

 

モスコの採点:★★★★☆  4.5点 / 5点満点
二度と帰ってこない、美しくて愛おしい子供時代。

1950年代と1980年代のどちらも懐かしく味わえると同時に、”今”を大事に思える素晴らしい作品

 

 スタッフ・解説

スタッフ

  • 監督:ロブ・ライナー
  • 脚本:ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン
  • 音楽:ジャック・ニッチェ
  • 撮影:トーマス・デル・ルース
  • 原作:スティーブン・キング

監督のロブ・ライナーは子役出身です。

なので自身の経験を生かし、子役の扱い方に対しては相当うまかったことが想像されます。

この子役の4人が4人とも非常に自然に、演技ではなく、まるでそこにただ、いる、という感じで、それぞれの個性も生かされてうまく機能しているんですよね。

この子供たちの自然な演技を引き出したのはライナーの功績でしょう。

 

また「線路を歩く」=『スタンド・バイ・ミー』というようになった印象的な画作りもいい。

どこまでも果てしなく続くような線路を4人の男の子たちが歩いている

これだけのことが、これほどまでに詩情的に昇華されていること。

これがこの映画の見所の1つとなっています。

また89分という比較的短い上映時間なのもいい。

名シーンの数々の連続で、とても観やすく、満足度も高くなっています。

原作が短編だということもありますが、余計なものを一切足さず清々しいです。

そして特筆すべきは、既存曲であるオールディーズ、つまり50年代のロックンロール、ポップヒット曲の使われ方。

ラストに使われるベン・E・キング「スタンド・バイ・ミー」を始め、劇中でも次々と流れてくるバディ・ホリージェリー・リー・ルイスコースターズなどのヒット曲がシーンとすごく親和性があるんですよね。

大体が当時のラジオから流れているという設定なので不自然さがないのがいいところ。

コーデッツ「ロリポップ」ポンッっていうとこ、この映画を観てから、その曲を聴く時は必ずマネするようになりました。やり方がわかったので。

もともとオールディーズも好きだったので、この映画で流れる曲たちにはウキウキしました。

1980年代って、ポップ・カルチャー的に1950年代の振り返りが結構あった時代だったと思います。

あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も80年代に作られた”50年代に戻る”話だし。

オールディーズの大所・大瀧詠一氏の『ロング・ヴァケイション』も80年代の大ヒット作だし。

あと私もファンシー文具で、当時筆箱とかノートとかを50年代のオールディーズ調、例えば50年代当時の雑誌の広告のイラストを使用したようなものを好んで使っていました。そーゆーのが当時探せば売ってたんですよね。

”Oldies but Goodies” という言葉。

私がアメリカの映画、音楽が大好きだったことが大きいのかもしれませんが、この言葉が近くにあった時代、それが1980年代でした。

今は1980年代が”Oldies but Goodies” という時代なっていますね。

出演者・解説

出演者

  • ゴーディ・ラチャンス:ウィル・ウィートン
  • ゴーディ(大人):リチャード・ドレイファス
  • クリス・チェンバーズ:リヴァー・フェニックス
  • テディ・ドチャンプ:コリー・フェルドマン
  • バーン・テシオ:ジェリー・オコンネル
  • エース・メリル:キーファー・サザーランド
  • デニー・ラチャンス:ジョン・キューザック

クリス・チェンバーズ:リヴァー・フェニックス

いやもうこの映画のリヴァー、最高っすよね。

この写真の時のくわえタバコ姿も子供なのにイカしてるし、50’sの不良よろしくTシャツの袖にタバコを入れてロールアップしてるのも様になってる。

映画の中でも4人組の中で頼れる兄貴的存在で、同年齢なのにウィルにとっては擬似父親、擬似母親的な役割まで果たしており、悪ぶってはいるがその本質的なところでの面倒見の良さ、責任感の強さが切ない。

給食費を盗んだが先生に返したのに、先生がくすねてしまって、自分だけ停学になった話をし、泣きじゃくるシーン。

モスコ

この子も粋がって強がっているけど、この子自身がまだ守られたい子供なんだなぁ

と胸がきゅうとなります。

それにしても、ですよ…。

この映画の公開当時(日本は1987年)は、まさか人気絶頂のリヴァー・フェニックスが23歳の若さで亡くなるとは思ってもみなかった。

そして、リヴァーの弟であるホアキン・フェニックス(当時はリーフ・フェニックス名義)が、2000年の『グラディエーター』辺りを境に、堂々とした名俳優になっていくだなんて、そんな未来、誰にも予想できませんでした。

この映画でもリヴァー演じるクリスは悲劇的な事件に巻き込まれる形で亡くなってしまい、そのことをキッカケに、主人公であるゴードン(ゴーディ)が少年時代のある一夏の出来事を思い出し小説を書く=それが映画になっているという構造になっているわけで…。

クリスの死、リヴァー・フェニックスの死。

まだ生きているゴードン

=ゴードンの子供時代を演じるウィル・ウィートン(2019・9月年現在、47歳

=ゴードの大人時代を演じるリチャード・ドレイファス(2019・9月年現在、71歳

=作者であるスティーブン・キング(2019年9月現在、72歳

(奇しくも本日9月21日スティーブン・キングの誕生日!おめでとうございます!!)

というわけで、リヴァーだけが、当たり前だけど時が止まっています。

生きてりゃ今頃49歳なんですね…。

人の運命とは、時の流れとは、不思議なものですね。

ゴーディ・ラチャンス:ウィル・ウィートン

見るからにひ弱そうなんだけど、不良(リヴァー演じるクリス)が大親友だという不思議。

きっとクリスがタフガイぶっているけど実は努力家、勉強家であり、このゴーディが弱そうに見えるけど、実際はタフな頭脳派ということで、見えないところでお互い近いものを持ち合わせていたので気が合ったのでしょう。

この一見正反対、だけど似た者同士のゴーディとクリスの友情を観ていると、なかなかに泣けてきます。

ゴーディの父親は、ゴーディの亡くなった兄(ジョン・キューザック)の方に一心に愛情を傾け、その弟・ゴーディに対しては非常に冷たいクソみたいな親なんですね。

そのことがゴーディの心を暗くしており、小説を書くことも父親に才能がないと言われて、諦めようとした時…。

「お前の父親は、お前の才能をわかっちゃいない、お前を知らないんだ」

と、クリスはゴーディに小説を書くことを続けるように励ますのです。

同年代なのにね、すごいですよね、ここまでできるんだから。

先を見通す力と、冷静に友達の才能を感じる力と、そしてそれを必要な時に言葉に出してやって力になれるところと。

やっぱりかしこい子なんですね、クリスは。

実際、その後ものすごく努力をして勉強して弁護士にまでなるのですしね。

その励ますシーンでこれまた泣けるセリフがあります。

「書くことなくなったら、俺たちのことを書きなよ」

このセリフ、優しすぎ…!

その後弁護士になったことも、そして最期、赤の他人のケンカをとめて刺されて亡くなってしまったことも、ある意味納得の、クリスの人柄です。

モスコ

あれ?…えと、クリスの話になってしまいました…

このゴーディという役は、亡くなった兄と比べられ、愛情も奪われており、複雑で繊細な人物なのですが、このウィル・ウィートンが非常に自然に演じていて見事なんですね

演じるのが彼でなければ、もっと印象が薄いものになっていたかもしれません。

テディ・ドチャンプ:コリー・フェルドマン

またこのコリー・フェルドマンがいいんですよねぇ。

彼はこの作品の前にもご存知『グーニーズ』(1985)の出演や、『スタンド・バイ・ミー』の翌年の『ロスト・ボーイ』(1987)(この映画にも出演しているキーファー・サザーランドとも共演)の主役のコリー・ハイムと”2人のコリー”として当時ティーン・アイドル的な存在でしたね。

映画的にはこの独特の演技と顔で、80年代の子役界の貴重な名バイ・プレイヤーでした。

この映画の彼は貫禄すら感じさせますもん。

仲間内からも「あいつはイかれてる。長生きはしないだろう」なんて言われてるちょっとクレイジーなテディ。

それもこれもクリスやゴーディと同じく、あまりよろしくない家庭環境のせいなんですよね。父親に耳焼かれてるし…。

それでもくず鉄屋のおっさんに自分の父親のことをバカにされた時に怒り狂う姿がまた切なかったですね。

子供はどんな親であれ、大好きだし、親からの無条件の愛情を必要としているということが、子供たちの姿から浮き彫りになって見えてきます。

そのほか、ゴーディの大人時代をリチャード・ドレイファス、悪役でキーファー・サザーランド、ゴーディの兄貴役にジョン・キューザック(回想シーンで登場)が出演しており、それぞれ持ち味を生かされた役で生き生きと演じているのも見所の1つとなっています。

『スタンド・バイ・ミー』感想・まとめ

映画の冒頭の方で、語り部であるゴーディが自分たちが住んでいる町について、「自分の全てだった」と語ります。

しかし、死体探しの4人の2日間の冒険が終わったあと、彼はこう言います。

「これほどまでにこの町を小さく感じたことは今までになかった」と。

つまり、この2日間の冒険により、ゴーディは大人の階段を1つ登ったわけです。

冒険自体は非常に子供じみたものであったにも関わらず、です。

ヒルに大事なところを吸われたあとも、クリスが殺されそうになった時も、このゴーディが勇気を出して、結果、形成が逆転されました。

どうしてそんな勇気が出たかというと、やはり、この2日間の体験を通して、仲間の大切さ途中でやめることなく最後までやり遂げることの大切さといったことが、理屈ではなく身体で感じ得たからだと思うのです。

そして、その根っこにはクリスとの友情、クリスが自分のことを支えてくれた、という体験が非常に大きかったのではないかと感じます。

この映画のラストは、大人になった作者であるゴーディがこの映画の魅力をぎゅっと凝縮して伝えてくれます。

これ以上ない言葉であり、またゴーデイから語れることで、観ている我々にもカタルシスを生み、感動を生み出します。

『私はあの12歳の時に勝る友人をその後二度と持ったことがない。
 誰もがそうなのではないだろうか。』

また折を見てなんども観ていく作品だと思います。

今度はうちのチビがもう少し大きくなったら一緒に観たいな。

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