エルトン・ジョンの3枚目のアルバム『Tumbleweed Connection』はこれからも聴き飽きることがないと思う

エルトン・ジョン3ジャケット

採点:★★★★

土臭さの中にも隠しきれないエモいメロディ!音楽好きが愛するアルバム

採点をつけるのはえらそうな行為なので、あまりやりたくないのですが、あった方が「私はこう思った!」というのがやっぱりわかりやすいと思うので挑戦してみようと思います!おてやわらかに( ◠‿◠ )

  • ★      (エルトン・マニアのあなただけどうぞ)
  • ★★     (面白い曲もあり)
  • ★★★    (良作〜)
  • ★★★★   (素晴らしい!傑作!!)
  • ★★★★★  (やばい!文句なしの大傑作!!今すぐ聴いて!!!)
    ☆は0.5です

今年(2019年)の8月に伝記映画『ロケットマン』の公開が迫っているイギリスのロック・スター、エルトン・ジョン。

これを機会に彼のアルバムを順番に振り返っていってみようと思います!

今回は彼の3枚目のアルバムです。




1970年10月30日リリース(英)

M-1 名高い盗賊の伝説 – Ballad of a Well-Known Gun
M-2 遅れないでいらっしゃい – Come Down in Time 
M-3 故郷は心の慰め  – Country Comfort 
M-4 君は君の親父の息子 – Son of Your Father 
M-5 父の銃 – My Father’s Gun 
M-6 聖ペテロよ、私はこれから何処へ – Where to Now St. Peter? 
M-7 愛の歌 – Love Song 
M-8 過ぎし日のアモリーナ – Amoreena
M-9 老兵の話 – Talking Old Soldiers 
M-10 布教本部を焼き落とせ – Burn Down the Mission
ボーナストラック
M-11 つよき親父の存在 – Into the Old Man’s Shoes
M-12 マッドマン(オリジナルバージョン) – Madman Across the Water (original version)

『エルトン・ジョン3』Tumbleweed Connection 感想

まずね、原題。Tumbleweed Connectionの”Tumbleweed”。これ、なんのことかっていうとよく昔の西部劇なんかで、コロコロコロ〜って軽そうに転がってる茶色くて丸いヤツあるでしょ?あれのことです。

で、アメリカ人でもイギリス人でも何人でも、この単語を出してくる人はウェスタン・コンプレックスがあるのです。

もう西部劇に熱い憧れを持ってる人。西部劇の象徴みたいなものですからね、このタンブルウィード。私も昔の西部劇大好き人間なので、気持ちがよーくわかります。

で!この1970年のイギリス人であったエルトン・ジョン及びバニー・トーピンがなんでこの西部劇の象徴であるタンブルウィードを出してきて、サウンドも歌詞も土臭いものになり、ジャケットももろ西部劇のあの街並みのものを出してきたのか?

鍵となるのはザ・バンド。

デビュー・アルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』の土臭さ…フォークやカントリー、R&Bやブルースなどのルーツ・ミュージックを根幹とした芳醇な味わいの音楽はアメリカ、イギリス問わず同時代の一部のミュージシャンに鮮烈な印象を与えました。

影響下にあるバンドはスワンプ・ロックとして米/英問わず新たに派生していきました。代表的なグループにデラニー&ボニーがいます。

その影響下の中にはイギリスでは大物ジョージ・ハリソンやエリック・クラプトンなどもいます。

  • ザ・バンドの『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』が1968年7月1日
  • デラニー&ボニーの1stアルバム『オリジナル・デラニー&ボニー』が1969年5月
  • エリック・クラプトンのソロ1stが1970年8月16日 (クラプトンはスワンプロックのデラニー&ボニーに&フレンズとしてのライブを1969年〜1970年に行っていました)
  • ジョージ・ハリソン『オール・シングス・マスト・パス』が1970年11月27日

で、このエルトン・ジョンの3枚目は1970年10月30日のリリース。

まさにこの1つの時代の流れに乗って出されたアルバムだということなんです。

エルトンの「スワンプ・ロック編の巻〜」みたいな、余裕を感じますね。

勢いのある今だからこそ、こういうの演ってもいける、大丈夫!みたいな自信をこの時のエルトンとバーニー・トーピンたちに感じます。

ただエルトンのアルバムとしては一番土臭いものではあるけれど、それほど「どスワンプ」ではなくて。

意匠としては完全にルーツ・ミュージック寄り、スワンピーなんですが、エルトンの場合、メロディの強さが勝っちゃうんですよね〜。

メロディがエモすぎ!

ここが彼ならではのユニークで素敵なところだと思います。

以下、気になる曲たちです。

M-2「遅れないでいらっしゃい 」Come Down in Time 

ファンキーな1曲目が終わり、スッとこの静かな2曲目が始まる瞬間が好きです。

しかしファンキーなのも最高だし、こういった静かな内省的なのも最高だって、どんなパーソナリティーしてるんだ、エルトンは。

動から静へ。なんせイントロはハープの音色ですからね。

2ndほど派手にではない、控えめなオーケストレーションが光る。引き続きポール・バックマスターのいいアレンジぶりが伺えます。

M-3「故郷は心の慰め」Country Comfort

これはロッド・スチュアートの好カバーが先に出ましたね(このアルバムの兄弟のような『Gasoline Alley』収録)。このロッド版、好きなんだよなぁ。枯れた味わいで。

エルトンの本人版の方がピアノも跳ねてて、カントリーちっくなのもちょっと距離があるって感じで(大好きだから!ってのではなく、風味を借りてる、演じてる感じ?)明るいです。

エルトンもロッドも70年代中期に向かってどんどん派手になっていく人たちですが、ここではまだまだ2人ともいい意味でイギリス臭くて地味で、そこんとこがたまらくいい味なんですよねー。

どっちバージョンも名曲なのは間違いのないところです。

M-5 「父の銃 」 My Father’s Gun 

イントロ、訳ありっぽいベースがかっこいい。

映画『エリザベスタウン』でもええ具合に使われていました。

エルトンの歌い方がこの曲が一番ザ・バンドっぽくて(リック・ダンコっぽい)影響を感じさせるものです。ドラムは超リヴォンっぽいし。

曲が進むにつれ、どこまでも拡がっていくような、そんな雄大なスケールを感じさせる曲です。

M-7「愛の歌 」 Love Song 

この曲のみエルトン/トーピンではなく、レズリー・ダンカンの作詞作曲。

子供のはしゃぐ声のSEが挟まれたり、『ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)』収録のジョンの「ディア・プルーデンス」と「ジュリア」を足して2で割ったような趣のある曲で、このアルバムの中ですっごいいいアクセントとなっています

M-8「過ぎし日のアモリーナ 」 Amoreena

この曲のエルトンの歌い方最高!特にこの歌い出し!

Lately I’ve been thinking how much I miss my lady

この曲はシドニー・ルメット監督、アル・パチーノ、ジョン・カザールの『狼たちの午後』(1975)(好きすぎます!)のオープニングに使われてるんですよね。

もちろん後から使われたので歌詞とか全く関係ないんですけど、文句なしに映画の内容にマインド的に合ってる!これチョイスした人、すごい!(個人的にはルメットではなさそうな気がしてます)

どこかファンキーで、歌い方もエモくて。何が歌われているのかわかるようで、はっきりしなくて、でも詩的で最高の歌詞とか、間違いなくこのアルバムのハイライト曲でしょう!

バニー・トーピンとエルトン・ジョン
With Bernie Taupin

前作『僕の歌は君の歌』で、エルトン自身の才能の開花、バニー・トーピンとのコンビネーションの開花、ガス・ダッジョンのプロデュースやポール・バックマスターのアレンジなど、チームとして機能しだしたましたが。

ワイルドウェストへの憧憬という意匠を借りて、それらをさらにぐんぐん進めていったこの3rdアルバム。

前作みたいに目立ったシングル曲もなく一見地味ですが、音楽ファンには昔から愛されているアルバムであり、私もきっとこの先ずっと長い間聴いて行くアルバムだろうし、しかも飽きないであろう懐の深さもあると思います。

それはやはりルーツ・ミュージックの解釈の仕方が一流である証拠なのでしょう。

エルトン・ジョンとそのチーム、恐ろしいぜ…。

これからどうなっていくんだろう…!(知ってるけど 笑)

ますます楽しみになってきました!

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